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農地転用の手続きと費用

農地転用の手続きと流れを解説|申請完了までの期間と注意点

田中 恵子 / 更新:2026-06-24
農地転用の手続きと流れを解説|申請完了までの期間と注意点
「親から相続した畑に家を建てたいけれど、何から手をつければいいのか分からない」——農地転用の相談で一番多いのがこれです。結論を先に言うと、まずやることは農業委員会への相談で、農地が市街化区域にあれば「届出」、それ以外なら「許可」が必要です。流れさえつかめば、専門家に頼むかどうかの判断もしやすくなります。
  • 農地転用は、農地法にもとづき原則として許可または届出が必要です。
  • 市街化区域内の農地は農業委員会への「届出」で足ります。
  • 市街化区域外の農地は原則「許可申請」が必要です。
  • 手続きの窓口はすべて市町村の農業委員会です。
  • 届出の受理はおおむね1~2週間、許可は約6週間~数か月が目安です。

農地転用 手続き 流れの結論

【農地転用と地目変更】手続きについて、土地家屋調査士・宅地建物取引士が解説します。石川土地家屋調査士・行政書士・海事代理士事務所。
【農地転用と地目変更】手続きについて、土地家屋調査士・宅地建物取引士が解説します。石川土地家屋調査士・行政書士・海事代理士事務所。

農地転用の手続きは「農業委員会へ相談する→必要書類を揃える→届出または許可申請をする」という流れで進みます。

所要時間の目安は、届出なら1~2週間、許可申請なら約6週間~数か月。難易度は、市街化区域の届出なら自力でも何とかなりますが、市街化調整区域の許可は正直、専門家に頼んだほうが早いです。

前提として必要なのは、転用したい農地の地番・面積が分かる資料(登記事項証明書や公図)と、何に使うか(住宅・駐車場など)を決めておくことです。ここが曖昧だと相談の段階で止まります。

農地を農地以外に使うには、原則として農地法の許可または届出が必要です。市街化区域内は届出、それ以外は農地の区分や転用内容に応じて許可が必要になります。

農地転用を考えたら

農地転用を考えたら、最初にやるべきは市町村の農業委員会への相談です。

農地転用を考えたら

私が転用申請に同行したときも、まず動いたのは農業委員会への事前相談でした。いきなり書類を作り始めるより、ここで「この農地は届出で済むのか、許可がいるのか」を確認するほうが何倍も早い。

名取市は手続きの入口を「事前相談」として案内していますし、岐阜市は事前協議書の提出を求めています。自治体によって入口の呼び方は違いますが、相談から始まる点は共通です。

相談で分かれ道になるのが「その農地がどの区域にあるか」。これで届出か許可かが決まります。次の章から、区域ごとに見ていきます。

市街化区域にある農地

市街化区域内の農地は、農業委員会への「届出」だけで転用できます。許可は不要です。

市街化区域はそもそも「街にしていきましょう」と都市計画で定められた区域なので、農地転用のハードルが低い。練馬区の案内でも、許可ではなく届出の扱いと明記されています。

正直、ここに該当する農地はラッキーです。書類が整えば1~2週間で受理まで進むケースが多く、つまずきにくい。

市街化区域外の場合

【3分解説】農地転用 “基本6つ” サクッと紹介
【3分解説】農地転用 “基本6つ” サクッと紹介

市街化区域外、特に市街化調整区域の農地は、原則として「許可申請」が必要です。

岐阜市は、市街化調整区域内の農地転用を「許可」対象として整理しています。ここは届出のように受理されて終わり、ではありません。立地や使い道を行政が審査します。

実体験として、調整区域の案件はここで時間がかかります。「家を建てたいだけなのに、なぜこんなに調べられるのか」と驚く依頼者も多い。理由は次の章の判断基準にあります。

許可の可否は、農地の区分(立地基準)と、転用計画の中身(一般基準)の両面で判断されます。営農条件や市街地化の状況で農地が区分される、という整理は農林水産省の制度案内でも確認できます。

農地転用の流れ―市街化区域の場合

市街化区域の流れは「農業委員会へ相談→必要書類を揃える→届出を提出→受理」の4ステップで完了します。

農地転用の流れ―市街化区域の場合

手順1:農業委員会へ相談する。農地の地番が分かるもの(登記事項証明書など)を持って、まず窓口へ。ここで「市街化区域だから届出ですね」と確認が取れていればOKです。

手順2:届出書と添付書類を揃える。登記事項証明書、公図、位置図などを用意します。書類が揃ったかどうかは、相談時にもらうチェックリストで照合できれば正しい状態です。

手順3:農業委員会に届出を提出する。窓口提出が基本です。

手順4:受理通知を受け取る。受理されれば転用に進めます。練馬区の案内では、届出後の審査を経て受理までの期間はおおむね1~2週間です。受理通知書が手元に届けば、この手順は完了です。

市街化区域の届出は「許可」ではないため、行政が中身を審査して可否を決めるわけではありません。書類の形式が整っていれば原則受理されます。

農地転用の流れ―市街化調整区域の場合

市街化調整区域の流れは「事前相談・事前協議→書類作成→許可申請→審査→許可」と、届出より段階が増えます。

手順1:事前相談・事前協議をする。岐阜市は事前協議書の提出を求めています。ここで計画が立地基準・一般基準に合うかを早めに確認できれば、後戻りが減ります。

手順2:申請書類を揃える。許可申請は添付書類が多く、土地の図面や事業計画、資金計画まで求められることがあります。チェックリストの全項目に丸がつけば、提出準備は整った状態です。

手順3:農業委員会へ許可申請を提出する。

手順4:審査を待つ。農業委員会の審議や都道府県との調整が入ります。

手順5:許可を受け取る。許可書が届けば転用に着手できます。ここまで来てようやく「農地を家の敷地にできた」という完了状態です。

うまくいかないときの多くは、手順1の事前協議を飛ばしたケースです。私の経験上、いきなり申請して立地基準で引っかかると、ほぼ最初からやり直しになります。

農地転用申請が完了するまでの期間の目安は

【農地転用】畑は宅地にできない!?農地転用について詳しく解説|一戸建て|行政書士|費用|行政化調整区域|工務店|不動産業界|宅建|市役所
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完了までの期間は、市街化区域の届出でおおむね1~2週間、市街化調整区域の許可で約6週間~数か月が目安です。

手続き別 完了までの期間の目安
自治体・案件により差があるため、いずれも目安です。
区分手続き期間の目安
市街化区域届出おおむね1~2週間
市街化区域外(調整区域など)許可申請約6週間前後~1~2か月農地区分によっては2~4か月程度

※上の表の3列目は、出典により「約6週間前後」「1~2か月程度」「農地区分によっては2~4か月」と幅があります。案件ごとに差が出るため、固定の日数では考えないほうが安全です。

農地転用の流れ―スムーズに申請するためのポイント

スムーズに進める最大のコツは、申請前の事前相談を絶対に省かないことです。

農地転用の流れ―スムーズに申請するためのポイント

名取市は事前相談から、岐阜市は事前協議書から手続きを案内しています。この入口を踏むだけで、後の差し戻しがぐっと減ります。

私が同行した中で一番もったいなかったのは、添付図面の不備で1か月戻ったケース。中身は問題なかったのに、書類の形式だけで時間を失いました。

申請前の事前相談は推奨されています。名取市は「事前相談」から、岐阜市は事前協議書の提出から手続きを案内しています。

転用したい農地を把握しましょう

まず確認すべきは「その農地がどの区域にあり、どの農地区分に該当するか」です。これで届出か許可かが決まります。

農地は営農条件や市街地化の状況で区分される、という整理は農林水産省の制度案内で確認できます。区分によって許可の通りやすさが変わるため、ここを先に押さえます。

あわせて、誰がどう転用するかも整理します。所有者本人が自ら転用するなら農地法第4条、売買・賃貸など権利移転を伴うなら第5条です。これは民間解説の整理ですが、法令理解として一般的です。

農地法 第4条と第5条の違い
条文対象となる転用
第4条所有者本人が自ら農地を転用する場合
第5条売買・賃貸など権利移転を伴う転用

申請書類をしっかりそろえましょう

【農地転用】地目変更登記申請って、自分で出来ますか?土地家屋調査士・宅地建物取引士が解説。石川土地家屋調査士・行政書士・海事代理士事務所。
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申請書類は、申請書本体に加えて登記事項証明書・公図・位置図などの添付書類をそろえる必要があります。

申請手数料そのものは無料と案内する資料があります。ただし自治体や手続きの種類で異なりうるため、ここは事前相談で確認してください。

無料なのは申請手数料の話で、取得する書類には実費がかかります。ある解説では、登記事項証明書が600円、公図・測量図が450円と案内されています。これらは法定手数料ではなく、書類の取得実費です。

取得書類の実費の例
農地転用の法定手数料ではなく、取得書類の実費。金額は解説資料の例です。
書類費用の例
登記事項証明書600円
公図・測量図450円

専門家に依頼することをおススメします

市街化調整区域の許可申請は、行政書士などの専門家に依頼したほうが結果的に早く安く済むことが多いです。

専門家に依頼することをおススメします

正直、市街化区域の届出だけなら自力でも十分対応できます。私が「頼んだほうがいい」と思うのは、許可申請で図面や事業計画が必要になるケース。書類量が多く、立地基準の判断も絡むからです。

無断転用には是正命令や罰則があります。岐阜市の案内では、命令に従わない場合の罰則が定められています。リスクを考えると、自信がない部分は早めに専門家へ回すのが安全です。

無断転用には是正命令や罰則があります。判断に迷う調整区域の許可は、つまずく前に農業委員会や専門家へ相談するのが結局いちばんの近道です。

よくある質問

よくある質問

農地転用 手続き 流れとは?
農地転用の手続きは、農業委員会への相談から始まり、必要書類を揃えて届出または許可申請を行う流れです。市街化区域内なら「届出」、それ以外なら「許可」が必要で、窓口はいずれも市町村の農業委員会です。
農地転用 手続き 流れの費用は?
申請手数料そのものは無料と案内する資料があります。ただし自治体や手続きの種類で異なりえます。別に、登記事項証明書600円、公図・測量図450円といった取得書類の実費がかかります(解説資料の例)。専門家に依頼する場合はその報酬も別途必要です。
農地転用 手続き 流れの始め方は?
まず市町村の農業委員会に事前相談することから始めます。名取市は事前相談から、岐阜市は事前協議書の提出から手続きを案内しています。転用したい農地の地番・区分が分かる資料を持参すると相談がスムーズです。

次の一歩は、転用したい農地の登記事項証明書と公図を手元に用意して、お住まいの市町村の農業委員会へ事前相談の電話を入れること。まずはそこからで十分です。

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田中 恵子

元司法書士事務所スタッフ(相続・不動産登記担当) ・ 農業委員会への転用申請同行経験あり

司法書士事務所での相続手続きサポート経験をもとに、農地相続・転用の実務を一次情報にあたりながら平易な言葉で伝えます。「難しいことを難しいまま書かない」をモットーに、読者が専門家に相談する前の地図づくりを手伝います。

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